[H-GAME] 赤ずきんと迷いの森 初回版
ストーリー
焼きたてのパンと熟れたチーズ、真っ赤なリンゴに赤ワイン。 それらを詰めたかごを私に持たせ、ママが言った。
「これを叔父さんに届けてきなさい」
私はおとなしく頷くと、書いてもらった地図を持って、家を出た。
だけど私は気が付いていた。本当は私に叔父さんなんていないこと。
そして地図に書いてあるのは、村人たちが決して近づこうとしない危険な“迷いの森”だということを。
そして私は知ってしまった。 ママは本気で、血の繋がらない娘の私を邪魔だと思っていることを――
私はママのお望みどおり、死んであげることにした。 それもママには真似できない、とびきり素敵な方法で。
森を彷徨い歩いているうちに出会った狼さんに、私は頼んでみた。
「――私を食べてちょうだい」
狼さんに食べられて死ぬなんて、ママには絶対にできないはずでしょう?
だけど私は食べてもらえなかった。
成熟した大人じゃない今の私なんて、食べてもおいしくないと狼さんは言った。
行く当てのない私は、狼さんの家に身を寄せることになった。 成熟した大人に成長するまで、狼さんに育ててもらうため……
狼さんに“食べてもらう”その日まで――